総 論
1-1 本ガイドラインの目的
   固形がんの転移性脳腫瘍,髄膜がん腫症,頭蓋骨転移に罹患している個々の成人症例において,適切な治療方針を検討するうえで必要となる重要な臨床事項を,以下の章において clinical question(CQ)として提示し,現時点でのエビデンスに基づく推奨事項を述べる。
1-2 対象患者
   固形がんの転移性脳腫瘍,髄膜がん腫症,頭蓋骨転移に罹患している成人の患者。
1-3 利用対象者
  脳腫瘍診療に従事する医師。
1-4 成人膠芽腫の概括
  1. 成人転移性脳腫瘍の現状
 症候性の転移性脳腫瘍はがん患者の8~10%に発生すると報告され1,2),剖検データによる頭蓋内転移の頻度は16~26%である3-5)。日本における罹患者数について正確なデータはないが,年間数万人以上と推計されており,原発性の中枢神経系腫瘍よりもはるかに多いと見積もられている5-7)
 転移性脳腫瘍は全人的な生活の質(Quality of Life:QOL)と生存期間に強い影響を与える8,9)。臨床腫瘍学の目覚ましい進歩により患者の生存期間が延長するにつれ,遅発性合併症としての転移性脳腫瘍の罹患率は増大している10)。一方では,MRIなど診断技術の開発や定位放射線照射(stereotactic irradiation:STI)など治療法の進歩が広く普及しつつある。このような背景とともに,転移性脳腫瘍の治療方針は放射線治療を基盤とするものから,最近では集学的治療の視点から広く考察されるようになり,予後分類システム,外科的摘出術とSTIの比較,治療の伴う認知機能の低下など,さらに多くの臨床課題が検討されるようになっている。
 転移性脳腫瘍の治療方針は,脳転移の数や大きさ,がん種ごとの生物学的特徴,全身状態や治療歴など多様な患者背景と,各施設で適用できる治療手段などを考慮する必要がある。個々の患者情報を整理し,またバイアスを最小とするために,複数の診療科や多職種によるカンファレンス(キャンサー・ボード)など,少なくとも脳神経外科,原発巣を担当する診療科,放射線治療科の合議による治療方針の決定が望ましい。本ガイドラインは,成人の固形がんの転移性脳腫瘍,髄膜がん腫症,頭蓋骨転移について,これらの治療方針の議論の出発点となり,より適切な判断を行うために臨床医と患者を支援するものである。なお,脊髄転移,脊椎転移,造血器腫瘍の脳転移は除いている。
 転移性脳腫瘍の77~87%は天幕上,15~25%は天幕下に発生する5,11,12)。血行性に転移するため,特に小動脈にがん細胞が塞栓して転移が始まると考えられている5)(レベルⅢ)。剖検と画像診断の結果などから,単発は32~53%,多発は47~68%と報告されている4, 5,11,12)。転移の個数が治療成績に影響することから,治療戦略を検討する研究では転移の個数が重要な因子となり,転移の個数によって対象を限定して研究が実施されてきた。少数個では,1990年のPatchellらのランダム化比較試験から始まり,それ以降もエビデンスレベルが高い研究が単発で4件,1~3個で2件,1~4個で1件報告されている13-19)。一方,多数個の転移については,後方視的な研究が多いが,近年いくつかのランダム化比較試験が報告されている20,21)。また,STIを受けた患者の追跡調査によると,単発では13%,2~3個では34%,4~5個では100%に新規病変が出現したという報告がある22)。また,定位手術的照射(stereotactic radiosurgery:SRS)で治療された117例の前方視的研究では,新規病変が出現するまでの中央値は転移の個数が1~2個では14.3カ月,3個以上では4.3カ月であったと報告されている23)。ただし,これらの研究では,画像診断による個数の評価の限界24),個数の評価にCTのみも容認する場合があるなどさまざまな条件下で実施されていること,またそれらの条件に変遷があることに注意が必要である。
 本ガイドラインでは,治療方針の検討にあたっては単発と多発と二分するよりも,単発,少数個,多発個の3群に分けたうえでエビデンスを整理することが妥当と考えた。最近の臨床研究の傾向も踏まえ,1と2個の間,および4と5個の間に暫定的な2カ所の境界を採用し,表1のマトリックスに示される推奨を解説する。
    表1 本ガイドラインで採用した転移の個数による各治療法の推奨グレード
 
治療法 腫瘍摘出術 定位放射線照射 全脳照射 薬物療法
単発 推奨B 推奨B 推奨B 症状がない場合推奨C1
少数個(2~4個) 推奨C1 推奨B 推奨B
多数個(5個以上) 推奨C1 推奨C1 推奨A
  2. 神経学的機能障害および症状と生命予後への影響
 転移性脳腫瘍や髄膜がん腫症によって出現する神経学的障害には,巣症状,てんかん発作,頭蓋内圧亢進症状,高次脳機能障害と精神症状がある。髄膜がん腫症では,これらに加えて髄膜刺激症状,脳神経症状,肩/後頸部/背部痛,頭痛を呈する。これらはいずれも患者の日常生活の活動性(performance status:PS)を著しく低下させる。一般に,転移性脳腫瘍や髄膜がん腫症は,診断後の生存期間中央値はおよそ3カ月程度である25,26)
 このように転移性脳腫瘍や髄膜がん腫症は,神経学的機能障害による全人的機能の低下,ときに原発巣に対する治療の中断を余儀なくさせるため,他の臓器への転移とは異なる対応が必要である27)。原発巣および脳病変以外の遠隔転移に対する治療の必要性と切迫性,転移性脳腫瘍を除いた状況を仮定して予想される余命,転移性脳腫瘍による神経症状のQOLへの影響と進行の予測,重要臓器の機能障害などについて,速やかな情報収集とともに,原発巣を担当する診療科との協議が必須である。これらの総合的な検討をもとに,転移性脳腫瘍による生命予後への影響がそれ以外による影響と比較して同等以上であれば,原則として転移性脳腫瘍の治療が優先する。これは,転移性脳腫瘍の治療が,人格の保護,不可逆的な脳機能障害の回避,PSの改善につながることを前提としているからに他ならない。転移性脳腫瘍をもつ患者の死因は,中枢神経死,他臓器病変の進行,または治療関連死に分けられる。したがって,転移性脳腫瘍に対する治療の重要な目的は,中枢神経死と神経学的機能障害を減らすあるいは遅らせることである。臨床研究においてはこれらを評価項目とすべきであるが,実際の臨床では中枢神経死と他臓器病変の進行による死亡を鑑別することはしばしば困難である。

  3. 原発巣の違いによる病態の差異
(1)転移性脳腫瘍の頻度
 転移性脳腫瘍の半数は肺がんから,二番目に乳がんから発生するとされる。がん種別には,小細胞肺癌の40%以上,非小細胞肺癌の17~25%,乳がんの1.4〜5%の患者に転移性脳腫瘍を認める1)。また,悪性黒色腫から発生する転移性脳腫瘍の頻度も高く,進行例では30%以上と報告されている28)。臨床的には単発は前立腺がん,消化器がん,腎細胞がんに多く,多発は小細胞肺癌,乳がん,悪性黒色腫,非小細胞肺癌の順に多く発見される12)。がんの既往をもたない患者に症候性の転移性脳腫瘍が発見される頻度は5~40%までさまざまであり,転移性腫瘍の3~15%では,詳細な全身検索を実施しても原発巣が不明であったと報告されている12)
 転移性脳腫瘍発生のリスク因子は,原発巣によって異なる。肺がんでは小細胞肺癌,乳がんではサブタイプのひとつであるトリプルネガティブ乳がん(ホルモン受容体およびHER2がともに陰性),悪性黒色腫では頭頸部発生と原発部の潰瘍形成が有意なリスク因子とされ,これらについては全身的には進行がんではなくとも脳転移が発生することがある5,29-31)。〔註釈:乳がんのサブタイプとは,エストロゲン受容体(estrogen receptor:ER)とプロゲステロン受容体(estrogen receptor:PgR),HER2,Ki-67などによって定義された分類である〕。
 転移性脳腫瘍による症状は,がん種や組織型による違いよりも,転移部位と周囲の脳浮腫の程度に依存する。肺がん,悪性黒色腫,乳がん,腎細胞がん,甲状腺がん,絨毛がん,肝細胞がんは,脳内出血をきたしやすく卒中様の発症もみられる32,33)
(2)髄膜がん腫症の頻度
 髄膜がん腫症は,がん細胞が軟膜やくも膜に広がりをもって浸潤あるいは播種をきたした病態であり,がん患者の4~15%に発生するとされ,最近は増加傾向にある34)。患者数では,肺がんと乳がんが多くを占めており,つぎに欧米では悪性黒色腫が多く,日本では消化器がんが多い34,35)。がん種別の発生では,悪性黒色腫からが最も頻度が高い。髄膜がん腫症を発症してからの生存期間は乳がんが最も長く,悪性黒色腫が最も短い36)。髄膜への転移は血行性,リンパ行性,あるいは直接的に波及して浸潤する。転移性脳腫瘍の治療中に髄膜がん腫症を発症することがあり,悪性黒色腫や後頭蓋窩の転移の場合に多いとされる37)
(3)治療の概要とがん種別の感受性
      ①腫瘍摘出術
 術前画像診断や術中モニタリングの発達,低侵襲手術の普及によって,腫瘍摘出術が原因となる死亡は減少している。ただし,腫瘍摘出術の成績をがん種別に比較した報告はない。ピースミールの摘出法は,一括切除(en-block摘出)またはSRSと比較して,術後の髄膜がん腫症が多い37,38)。悪性黒色腫,肺がん,乳がんでは術後に播種を起こしやすく,特に悪性黒色腫は術後早期に播種をきたす危険性が高い37)
②放射線治療
 STIが発達したことによって,手術侵襲を避け,短期間で完遂する放射線治療が普及した。歴史的には,全脳照射は50年以上にわたって中心的治療であり,エビデンスレベルの高い研究も多い。全脳照射の適応は,腫瘍摘出術またはSTIの適応がない場合,腫瘍摘出術またはSTI治療後の補助治療(アジュバント),5個以上の多発腫瘍の場合などである。副作用は数週間程度で発症する急性反応,1~6カ月の早期反応,6カ月以降の晩期障害に分けられ,長期の経過観察では白質障害が50~90%に出現するという報告がある37)。この白質障害がすべて認知機能障害,QOLの低下と結びつくわけではないが,海馬に従属する認知機能障害の他に,脳組織の炎症による認知機能の障害とその予防法に関する知見が蓄積されつつある38)。また,転移性脳腫瘍患者の認知機能障害には多数の因子が関与しており,腫瘍,治療(放射線,抗がん薬,抗てんかん薬など),患者(年齢・糖尿病の合併など)の条件に影響される41)。Meyersらは,ランダム化比較試験のsecondary endpointとしての解析により,認知機能の低下は転移性脳腫瘍の大きさに比例するとした40)。また,別のランダム化比較試験のsecondary endpointの報告では,被検者の減少により12カ月までの分析に留まるが,腫瘍摘出術またはSRS後に補助療法として全脳照射を受けた群では複数の健康関連QOL指標の一時的な低下が認められている41)。このように転移性脳腫瘍の患者の認知機能障害・QOLに関する研究は,生命予後や全身状態による制約を受ける。
 放射線壊死はSRS後の数カ月~3年間に7~50%に出現すると報告されている44)。臨床的に問題となる症例は1~6%とされ,一般にはステロイドの投与が行われるが,外科的治療が必要になる場合もある44—46)。放射線感受性は腎細胞がん,悪性黒色腫,肉腫では低く,小細胞肺癌,胚細胞腫では高い,その他のがん種は中間と考えられている(表2)47,48)。なお,放射線感受性が低いがん種に対しても,STIが有効な場合がある47)。予防的全脳照射の有効性が証明されているのは小細胞肺癌のみである49)
      表2 がん種による放射線感受性
 
小細胞肺癌,胚細胞腫瘍
乳がん,非小細胞肺癌など
悪性黒色腫,腎細胞がん,肉腫
      ③薬物療法
 一般に中枢神経系は血液脳関門によって守られているため,水溶性薬剤や分子量の大きい抗体薬などはこれを通過しにくい。また,転移性脳腫瘍そのものによる薬剤耐性も重要な問題である48)。しかし,分子標的治療薬の開発をはじめとして,がんの全身薬物療法が急速に進歩しているなか,転移性脳腫瘍を対象とする新たな薬物療法への期待も高い。中枢神経症状の有無,それぞれの腫瘍の薬物療法への感受性,薬剤の血液脳関門通過性などを総合的に判断し,有効な治療法の一つとして選択される機会が増えている50)。一方,全身投与された薬物による中枢神経毒性については,放射線障害と同様に急性期および慢性期の障害がそれぞれ認識されており,病態とリスク因子の研究が行われている51)
④ベストサポーティブケア
 腫瘍摘出術,放射線治療,薬物療法は,ある程度のリスクを受け入れながら積極的な治療的介入を行うことにより,根治,延命,症状緩和や機能の改善を目指すものである。これに対して,ベストサポーティブケア(best supportive care:BSC)では,病変に対する直接の治療は終了して,症状緩和と看取りなどにケアと支援の重点を置く。ときに患者の家族もBSCの対象となる。キャンサーボードなどで原発巣と中枢神経系の病変,全身状態を正確に評価したうえで,積極的治療のリスクが期待される効果を上回ると判断される場合,中枢神経の病態がすでに不可逆的で重篤な状態であると判断される場合,また患者自身の希望も考慮して選択される。神経学的症状の緩和方法には,ステロイド薬や抗てんかん薬などの投薬,多職種による神経学機能障害の援助が含まれる27)

  4. リスク因子と生存期間の予測
 放射線治療や外科的治療の技術革新,そして薬物療法の進歩により,転移性脳腫瘍の治療を原発巣の特性や患者の臨床的な背景に基づいて個別化すべきであるという認識が広まっている。同時に,転移性脳腫瘍の患者の予後因子は非常に多岐にわたり,単純な方針では個々の適応判断には対応できないことも認識されている。さらに,治療方針の決定には,患者の将来の生存期間,生活像,全身治療の可能性,施設ごとに選択可能な治療モダリティを十分に把握する必要がある。
 このような背景をもとに,1997年Gasparらは,Radiation Therapy Oncology Group(RTOG)臨床試験に登録された1,200例のデータの後方視的解析をもとに,予後因子としrecursive partition analysis(RPA)指標を発表した9)。その後,この指標は多数の患者群で検証され,臨床研究における層別化因子として使用されてきた(表3)53)。しかし,RTOG—RPA指標には,原発巣による分類がない,転移の個数が考慮されていない,最近の分子標的治療薬をはじめとする全身薬物療法の進歩に対応していないという弱点があった。
 2008年Sperdutoらにより,4件のRTOG臨床研究データの多変量解析の結果から,graded prognostic assessment(GPA)が発表された(表4)53)。これは有意なリスク因子の重要度によって点数化し,合計点グループごとに生存期間を提示する方法である。その後,GPAは転移性脳腫瘍の個数を加味し,原発巣ごとに分けた診断別指標に発展した。診断別GPAでは,乳がん,肺がん(小細胞および非小細胞),消化器がん,悪性黒色腫,腎細胞がんの各疾患別に評価因子とスコアの割り付けが決められており,それぞれ生存期間を予測できる(表5)54)。GPAの他にも複数の予後予測スコアが提唱され,現在も検証が続けられるとともに,臨床試験の患者層別化因子として使用されている。各指標に用いられるKarnofsky performance status(KPS)については表6を参照いただきたい。
 さらに,上記の群間比較から,患者ごとの生命予後を算出する方法として,リスク因子の合計点をノモグラムでプロットし,推定余命へ換算する方式が種々提案されている55,56)。複数のがん種を含む場合と,原発がんに特異的なノモグラムを作成する場合がある(註釈:ノモグラムとは二次元の図表であり,既知のスコアから作成した直線上の目盛りを結ぶことにより,関数計算の解を求めることができる)。
 前記のRTOG—RPAとGPAは,RTOGによる臨床試験の多数のデータの後方視的解析に基づいてリスク因子と生存期間を推定したものである。対象は全脳照射を受けた肺がんや乳がんの症例が多く,したがってあくまで全脳照射を前提とした臨床の参考とすべきであり,STIが普及した日本の実情とは異なる可能性を念頭に置く必要がある。また,GPAのスコアと腫瘍摘出術後の生存期間とは関連したが,3カ月後の生存割合,合併症やPSの改善とは関連しなかったとの報告もある55)。同様にノモグラムも後方視的に解析された評価であり,その治療体系はデータを収集した時期によって異なることにも注意が必要である。がんの全身療法や医療技術の急速な進歩を踏まえて,これらの予後予測は常に改訂されなければならない。
 髄膜がん腫症にはこのような多数症例のデータを解析した指標は発表されていない。生存期間の延長に寄与する因子は,乳がんであること,PSが良好であること,原病の診断から髄膜がん腫症の診断まで1年以上経過していること,髄注化学療法などの報告がある35)
    表3 Recursive Partitioning Analysis(RPA)9,52)
 
クラス 患者の特徴 生存期間(月)(中央値)
オリジナル
1979~1993年9)
Review
1997~2008年52)
次のすべて
 KPS 70%以上
 65歳未満
 原発巣がコントロールされている
 頭蓋外転移なし
7.1 15~29
KPS 70%以上かつクラスⅠに該当しない 4.2 5.5~11
KPS 60%以下 2.3 1.4~9
    表4 オリジナルのGraded Prognostic Assessment(GPA)のスコア因子53)
 
スコア因子
年齢
KPS
中枢神経系への転移の個数
頭蓋外への転移
    表5 診断別GPAのスコア因子54)
 
診断 スコア因子
小細胞肺癌と非小細胞肺癌 年齢,KPS,頭蓋外への転移,脳転移の個数
悪性黒色腫 KPS,脳転移の個数
乳がん KPS,サブタイプ,年齢
腎細胞がん KPS,脳転移の個数
消化器がん KPS
    表6 Karnofsky performance status(KPS)
 
100% 正常,臨床症状なし
90% 軽い臨床症状あるが,正常の活動可能
80% かなり臨床症状あるが,努力して正常の活動可能
70% 自分自身の世話はできるが,正常の活動・労働は不可能
60% 自分に必要なことはできるが,ときどき介助が必要
50% 病状を考慮した看護および定期的な医療行為が必要
40% 動けず,適切な医療および看護が必要
30% 全く動けず,入院が必要だが死はさしせまっていない
20% 非常に重症,入院が必要で精力的な治療が必要
10% 死期が切迫している
0% 死亡
  5. 治療前評価と治療効果判定
(1)治療前画像診断
 神経学的症状が急激に発生した場合,緊急の単純CTで頭蓋内出血,急性水頭症,脳ヘルニアなどの正確な状況を把握しなければならない。鑑別診断,治療適応の判断,またSTIの標的同定には,腫瘍自体の数や性質について,脳CTよりも脳MRIの感度が優れている58)。特に後頭蓋窩病変や髄膜がん腫症では脳MRIによる診断が望ましい。日本医学放射線学会/日本放射線科専門医会・医会編による「画像診断ガイドライン2013年版」によると,造影MRIによる画像診断を推奨している59)。通常量の造影剤では不明確な症例や単発の転移では造影剤を2倍量使用することが望ましいとされるが,他の撮像条件には規定はない。米国神経放射線学会の「MRI画像診断ガイドライン」では,脳病変には切片厚5mm以下,切片間2.5mm以下,必要に応じてより薄いスライス厚にしてもよいとされている60)
 一方,STIの際には,頭部を固定後に,より薄いスライス厚(1~3mm厚)で3D撮影を行う。SRS単独では脳内の遠隔再発のリスクが高いことが明らかとなり,そのため可能な限り小病変を検出して治療標的とする試みがなされている。ただし,STIでは腫瘍体積の合計が生命予後や局所コントロールにおける有意な因子であるものの,転移の個数は重要な因子ではないとの報告がある61)
 通常の診断用MRI画像と高分解能MRIで高用量の造影剤を用いた画像を比較した研究では,40%で新たに病変が発見されており,初回の病変数が多いほど新病変の頻度も高かった24)。一方,転移性脳腫瘍の検出を目的として1.5テスラMRI画像を用いた136例の前向き研究では,造影剤の3倍量投与は偽陽性が増加するため,全ての症例に有用ではなく,通常量の造影剤では診断が未確定の症例や単発と診断された症例に限って推奨している62)。このように,小さい病変や造影されにくい病変は,MRIでも検出しきれない可能性を念頭におくことが必要である。
 2-[18F]-fluoro-2-deoxy-D-glucose positron emission tomography (FDG ポジトロン断層法:FDG-PET検査)は,転移性脳腫瘍と脳とのコントラストが得られないため,転移性脳腫瘍の診断には適していない63)。また,播種性病変を疑う症例では,造影前後のFLAIR画像とT1強調画像で小脳の矢状断および大脳の冠状断に注目すると,造影FLAIRで脳溝内の造影病変が明らかになる場合がある64)
(2)治療前全身評価
 原発巣がコントロールされているか,頭蓋外の重要臓器への転移の有無,その他の背景を確認するために,腫瘍マーカーを含む血液検査,循環器系検査,および一般的な身体所見による評価を行う。原発巣や他臓器への転移の評価にはFDG—PET検査が勧められ,それが実施困難な場合には体幹部の造影CTおよび骨シンチグラフィーが勧められる65)。ただし,原発巣のステージによってはFDG—PET検査が不要とされる65)。治療方針の決定には,転移性脳腫瘍が制御されたと仮定して,その他の臓器,全身病態の評価による予後の推定が必須である。
(3)治療効果判定
 従来は生存期間と画像上の局所・脳内遠隔の制御が治療効果の判定指標とされることが多かったが,近年では神経学的症候,認知機能を含む高次脳機能,PS,QOLも治療効果の指標として重視される傾向にある43)。手術摘出度の評価には,組織炎症と残存腫瘍の見極めのため,術後72時間以内の造影検査が推奨される。CTよりも造影MRIが空間分解能において優れている59,60)
      ①画像評価
 局所の再発,遠隔再発,治療による浮腫などを観察するため,治療直後,1カ月後,その後は3カ月ごとに1年間後まで神経学的診察とMRI診断の継続が行われることが多いが,必要に応じて間隔を短縮する。1年後からは,脳を含む全身の状態を参考に間隔を判断する。
 効果判定にはResponse Evaluation Criteria in Solid Tumors(RECIST)評価法,WHO評価法,Macdonald評価法,体積測定その他が用いられてきた66-68)。なかでもRECIST法は,固形がんの治療効果を評価するために開発され,腫瘍医にはなじみのある評価法である。主な判定基準は,完全奏効(complete response:CR)=画像上で全標的病変の消失,部分奏効(partial response:PR)=長径の和が30%以上減少,進行(progressive disease:PD)=最小の長径の和と比較して20%以上増加,安定(stable disease:SD)=PRには縮小が不十分かつPDには増大が不十分である。より客観的にCR,PRを評価確定するには4週間以上の間隔で,またSDの確定には6~8週以上の間隔で再検査する。一方,髄膜がん腫症の画像評価は困難なことがあり,髄液所見,神経学的臨床所見を総合して判断する。
②放射線壊死の診断
 STI後の数カ月から約1年後に出現する放射線壊死と局所再発との鑑別は重要な課題である。出現時期,神経症状,通常の造影MRIの所見などからは鑑別困難である。CT灌流画像,MRI灌流画像,MRスペクトロスコピー,拡散係数画像(apparent diffusion coefficient map:ADC map),単フォトン放射断層撮影装置(single photon emission computed tomography:SPECT),陽電子放射断層撮影(PET)などが用いられるが,いずれも感度と特異性をさらに向上させる必要がある69)
③生存期間
 転移性脳腫瘍の診断後から,死亡までの生存期間をデータとすることが多い。前述のように,中枢神経死と,他臓器の障害による死亡とを分けることが理想であるが,がん末期の場合には,その鑑別はしばしば困難である。
1-5 フローチャート
1-6 CQと推奨の一覧
Clinical Question 推奨 推奨グレード
CQ1-a 単発あるいは少数個の転移性脳腫瘍の治療はどう選択するのか? 推奨1 全脳照射を行う。 B
推奨2 KPSの良い症例で全摘出可能な腫瘍では腫瘍摘出術+全脳照射を行う。
 ・単発の場合

B
 ・少数個の場合 C1
推奨3 3cm以下の腫瘍に対しては全脳照射に加えて定位放射線照射(STI)を行う。
 ・単発の場合

B
 ・少数個の場合 B
推奨4 薬物療法に高感受性とされる腫瘍(小細胞肺癌など)を除き,厳重なフォローアップを前提にSTI単独治療を行う。 B
推奨5 腫瘍の薬物療法感受性によっては薬物療法を行ってもよい。
(本章CQ2参照)
C1
推奨6 機能予後あるいは生命予後の改善が期待される場合には摘出術を行ってもよい。 C1
CQ1-b 多数個の転移性脳腫瘍の治療はどう選択するのか? 推奨1 全脳照射を行う。 A
推奨2 全脳照射にSTIを加えてもよい。 C1
推奨3 腫瘍の薬物療法感受性によっては薬物療法を行ってもよい。
(本章CQ2参照)
C1
推奨4 機能予後あるいは生命予後の改善が期待される場合には腫瘍摘出術を行ってもよい。 C1
推奨5 腫瘍の個数,体積の合計,照射回数を十分に考慮し,厳重なフォローアップを前提にSTI単独治療を行ってもよい。 C1
CQ2 転移性脳腫瘍の治療のなかで薬物療法(分子標的治療薬を含む)はどう選択するのか? 推奨1 症候性または近い将来に脳局所治療を必要とする転移性脳腫瘍では,原則として放射線治療または腫瘍摘出術を優先する。 A
推奨2 薬物療法に高感受性とされる腫瘍では,全身薬物療法を単独または転移性脳腫瘍への局所治療と並行して行う。 B
推奨3 推奨2に該当しない固形腫瘍では,頭蓋外に明らかながん病変があり,かつ転移性脳腫瘍による症状がない場合には,転移性脳腫瘍および頭蓋外病変への効果を期待して全身薬物療法を優先してもよい。 C1
推奨4 髄膜がん腫症では,それぞれの腫瘍の薬物療法感受性を根拠として全身薬物療法または抗がん薬の髄腔内投与を行ってもよい。 C1
CQ3 再発の転移性脳腫瘍の治療はどう選択するのか? 推奨1 全脳照射が行われていない症例に関しては全脳照射を追加するように勧められる。 C1
推奨2 定位放射線照射(STI)後の長径3 cm以下の新規脳内病変にはSTIを考慮してもよい。 C1
推奨3 全脳照射後の長径3 cm以下の再発にはSTIを行うよう勧められる。
(本章CQ2参照)
C1
推奨4 腫瘍の種類によっては薬物療法を考慮してもよい。 C1
推奨5 機能予後あるいは生命予後の改善が期待される場合には摘出術を考慮してもよい。 C1
CQ4 髄膜がん腫症に対する治療はどう選択するのか? 推奨1 腫瘍の広がりおよび粗大病変の存在に応じて放射線治療を行うことが勧められる。 C1
推奨2 腫瘍の種類によって薬物療法を行ってもよい。 C1
推奨3 髄膜がん腫症に伴う水頭症には髄液シャントあるいはドレナージを行ってもよい。 C1
CQ5 頭蓋骨転移に対する治療はどう選択するのか? 推奨1 症候性または近い将来に局所治療を必要とする頭蓋骨転移には放射線治療を行う。 B
推奨2 薬物療法に高感受性とされる腫瘍では,薬物療法を単独あるいは放射線治療と組み合わせて行うよう勧められる。 C1
推奨3 全身の転移性骨腫瘍を有する患者に対して,あるいは骨関連事象のリスクが高い頭蓋骨転移の場合,骨関連事象の発現を軽減するために,ビスホスホネート製剤(ゾレドロン酸)またはヒト型抗RANKL(NFκB活性化受容体リガンド)モノクローナル抗体薬(デノスマブ)を投与する。 B
推奨4 外科治療は,脳神経症状の早急な解除,静脈洞閉塞の回避,整容,または病理診断を目的に,厳格な適応判断のもとに行うよう勧められる。 C1
CQ6 転移性脳腫瘍に対するステロイドや浸透圧利尿薬はどう使用するのか? 推奨1 神経症状を呈する腫瘍周辺の浮腫に対しては,ステロイドや浸透圧利尿薬を使用する。 B
CQ7 転移性脳腫瘍に対する抗てんかん薬はどう使用するのか? 推奨1 てんかん発作の既往がある場合に使用することが勧められる。 C1
推奨2 てんかん発作の既往のない場合は,腫瘍摘出術および定位放射線照射の周術期などを除き,予防的な抗てんかん薬は使用しない。 C2
推奨3 抗てんかん薬を使用する場合は,抗がん薬を含めた他剤との薬物相互作用に注意する。 C1
1-7 ガイドライン統括委員会
 本ガイドラインの作成にあたり、特定非営利活動法人 日本脳腫瘍学会脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会はガイドライン統括委員会の役割を果たしている。日本脳腫瘍学会脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会の構成委員と所属は別に記す。
1-8 成人転移性脳腫瘍ガイドライン改訂 working group
 
氏 名 所属機関/専門分野 作成上の役割
青山 英史 新潟大学大学院医歯学総合研究科 腫瘍放射線医学分野/放射線治療科 委員
安藤 雄一 名古屋大学医学部附属病院 化学療法部/腫瘍内科 委員
園田 順彦 山形大学医学部 脳神経外科/脳神経外科 委員長
中洲  敏 社会医療法人誠光会草津総合病院 脳腫瘍治療科/脳神経外科 委員
中洲 庸子 滋賀医科大学脳神経外科・英語科/脳神経外科 委員
宮北 康二 国立がん研究センター中央病院 脳脊髄腫瘍科 委員
若林 俊彦 名古屋大学大学院医学系研究科 脳神経外科/脳神経外科 委員
1-9 利益相反
特定非営利活動法人 日本脳腫瘍学会脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会の構成委員、ガイドライン改訂working group委員の利益相反は別に開示する。
1-10 改訂予定
2021年3月に改訂を行う予定である。
1-11 文献検索
今回の改訂では、初版の作成時に検索をした期限以降の2013年8月から2017年12月の時点までのMEDLINE、The Cochrane Libraryにて、brain metastases x clinical study or clinical trialを検索式として検索を行った。これら機械的文献検索以外に委員によるハンドサーチでの重要文献の追加も適宜行った。 渉猟しえた転移性脳腫瘍に関する論文のなかで、各臨床的疑問(clinical question:CQ)に対してエビデンスのある、または臨床的重要な情報を提供すると考えられた論文を抽出した。
◆文  献
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