総 論
1-1 本ガイドラインの目的
   中枢神経系原発悪性リンパ腫(primary central nervous system lymphoma:PCNSL) に罹患している個々の症例において,適切な治療方針を検討する上で必要となる重要な臨床的事項を臨床的疑問(clinical question:CQ)として提示し,現時点でのエビデンスに基づく推奨事項を述べる。
1-2 対象患者
  PCNSLに罹患した成人患者。
1-3 利用対象者
  脳腫瘍診療に従事する医師。
1-4 PCNSLの概括
  1. 中枢神経系原発悪性リンパ腫の定義
 PCNSLは,診断時に中枢神経系外に他の病巣を認めない中枢神経系に限局した節外性リンパ腫を指し,他臓器リンパ腫由来の二次性中枢神経系リンパ腫は含まない。PCNSLは近年増加傾向にあり,Report of Brain Tumor Registry of Japan(2005-2008)14th Editionによると全脳腫瘍の4.9%を占める1)。欧米ではAIDSに関連して発症する率が高くなっているが,我が国では少なく,ほとんどが免疫不全を合併しない症例である。50~70歳代の高齢者に高頻度でみられ(60歳以上が62%),95%以上のPCNSLは非ホジキンリンパ腫(non-Hodgkin lymphoma:NHL)でB細胞由来(ほとんどが,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫,diffuse large B-cell lymphoma:DLBCL)である。  
  2. 予後規定因
 PCNSLにおける予後規定因子としては,これまで年齢と一般状態(performance sta-tus:PS)の重要性が指摘されてきている。Radiation Therapy Oncology Group (RTOG)による最初の前方視的臨床試験(RTOG83‒15)において,年齢とKarnofsky performance status (KPS) が独立した予後因子として報告された2)。その後,前方視的第Ⅱ相試験で,これらの因子は常に予後因子として抽出されている3‒5)。またCorryらも,62例の免疫不全のないPCNSL症例に対する後方視的解析で,年齢60歳未満,WHO PS 1以下のみが独立した有意な予後因子であったと報告している6)
 Ferreriらは,多国48施設から378例のHIV陰性PCNSL症例を集積し,解析データが揃う105例をもとに予後因子解析を行った。その結果,①年齢(60歳より高齢)〔p=0.0001,オッズ比(odds ratio:OR)1.02〕,②PS(WHO PS2以上)(p=0.001, OR 1.64),③血清LDH値(高値)(p=0.05, OR 1.41),④髄液蛋白濃度(高値)(p=0.03, OR 1.71),⑤深部脳病巣(脳室周囲,大脳基底核,脳幹,小脳)(p=0.007, OR 1.45)の5項目が独立した有意な予後不良因子として抽出された7, 8)。さらに,これら5項目を陽性の場合に各1点として合計した総点数を0~1点の群(予後良好群),2~3点の群(予後中間群),4~5点の群(予後不良群)の3群に分類するInternational Extranodal Lymphoma Study Group (IELSG) scoring systemを提唱した。2年生存割合は,順に80%±8%,48%±7%,15%±7%(p=0.00001)と有意に差が認められた7)
 その後,Memorial Sloan-Kettering Cancer Center (MSKCC)のAbreyらがより簡便な予後分類システムとして,年齢とPSのみからなるrecursive partitioning analysis (RPA) scoring systemを提唱しており,338例の連続PCNSL症例中282例のデータを用いて予後因子を解析し,クラス1(50歳未満),クラス2(50歳以上かつKPS 70以上),クラス3(50歳以上かつKPS 70未満)の3群に分類した9)。生存期間中央値(median survival time:MST)はクラス1,2,3で各8.5年,3.2年,1.1年(p<0.001),治療成功生存期間は各2.0年,1.8年,0.6年(p<0.001)と群間で有意な差が認められた。RTOGによる前方視的臨床試験の152例の治療データを用いた検証的解析でも,同様にp<0.001の有意水準で予後との相関が示された。一方,同じ症例を上記IELSG scoring systemを用いて分類し,予後との相関を解析すると,0~1点群と2~5点群間のみ有意差が認められたp=0.006)。IELSG scoring systemでは一部の症例で髄液所見や血清LDHのデータが欠損しており,十分な解析ができなかった点と,観察期間の中央値が2年と短かった点が影響している可能性が指摘された9)
 今後は,このような予後因子スコアを使用することで,より均てん化した臨床試験をデザインすることが望ましい。
  3. PCNSLの治療前評価と治療効果判定
 治療開始前にPCNSLの進行度や進達度を評価し,また治療後にその治療効果を判定するためには,国際的な基準を用いることが望ましい。International PCNSL Collaborative Group(IPCG)が2005年に取りまとめたPCNSLに対する神経所見を基にした治療前評価には,以下の項目が含まれる10)(表1)。①眼科的精査(スリットランプ検査含む),②gado-linium造影脳MRIおよび安全に施行できる際に腰椎穿刺による脳脊髄液(CSF)採取(悪性細胞の検出),③脊髄症状のある症例に対しての脊髄MRI,④全身性悪性リンパ腫の除外のための臨床諸検査(リンパ節,体幹・骨盤CT,骨髄検査,精巣検査),⑤HIV感染の有無10)。適切な治療方針の選択,治療効果の判定や臨床試験の登録には,これらの腫瘍関連因子の精査・記録が科学的な解析には必須であり,日常診療においても,可能な限り施行すべきである。また,全身病変の検索にはPET検査も有用性が報告されている11)。全身性NHLに対する病期分類法とは異なることに留意する必要がある。なお,治療効果判定は原則としてgadolinium造影脳MRIにて行う。
 PCNSLの治療経過上重要な晩発性認知機能障害を評価するうえで,治療前の認知機能の客観的な評価が必須であり,治療前のPSと神経症状・認知機能を記録することが必要である。PSの評価基準としては,通常KPSが使用される(表2)。また,認知機能評価の基準としては,IPCGでも推奨されているMini Mental Status Examination (MMSE)を使用することが望ましいが,長谷川式スケール(HDS)を代替スケールとして用いてもよい。
    表1 IPCGによるPCNSL治療効果判定(評価)基準
 
効果判定 腫瘍縮小効果 副腎皮質ステロイド 眼所見 髄液細胞診
CR 造影病巣なし なし 正常 陰性
CRu 造影病巣なし あり・なし 正常 陰性
CRu 微細な異常所見 あり・なし 微小RPE異常 陰性
PR 50%以上の造影病巣の縮小 問わない 微小RPE異常または正常 陰性
PR 造影病巣なし 問わない 硝子体または網膜腫瘍細胞浸潤の減少 遷延または疑い
PD 25%以上の病巣増大 問わない 再発または新規眼病巣出現 再発または陽性
PD 中枢神経系あるいは
全身性新病変
     
  註:PDは各項目のいずれかが認められた場合に判定される。
CR:complete response,CRu:unconfirmed complete response,RPE:retinal pigment epithelium,
PR:partial response,PD:progressive disease
    表2 Karnofsky performance status(KPS)
 
普段の日常生活と仕事が可能;特にケアを必要としない 100% 正常,臨床症状なし
90% 軽い臨床症状あるが,正常の活動可能
80% かなり臨床症状あるが,努力して正常の活動可能
仕事は不可能だが在宅で生活が可能;ケアが必要となるが、介助の程度は様々 70% 自分自身の世話はできるが,正常の活動・労働は不可能
60% 自分に必要なことはできるが,ときどき介助が必要
50% 病状を考慮した看護および定期的な医療行為が必要
自信のケアも不可能;施設や病院でのケアが必要で、病も急速に進むことがある 40% 動けず,適切な医療および看護が必要
30% 全く動けず,入院が必要だが死はさしせまっていない
20% 非常に重症,入院が必要で精力的な治療が必要
10% 死期が切迫している
0% 死亡
  4. 治療法
 PCNSLの治療の原則は,生検術による腫瘍組織からの病理診断確定の後,大量メトトレキサート(high dose methotrexate:HD‒MTX)療法を基盤とする化学療法と,それに続く全脳照射を主体とする放射線治療である。しかし,HD-MTX単独療法および全脳照射による初期治療では,再発率は依然高く,最終的に腫瘍死あるいは遅発性中枢神経障害を余儀なくされることも多く,未だ機能を維持しつつ治癒に至る割合は満足できるレベルには達していない。そのため,近年では適切な治療管理体制の下,多剤併用のHD-MTX基盤免疫化学療法を寛解導入療法として行い,さらに地固め療法も追加する治療法が複数実施され,高い完全奏効割合と無再発生存を示す結果が報告されている。
 本ガイドラインでは,PCNSLに対する治療について,下記フローチャートに沿って,まず初発時治療について,その概要,寛解導入療法としての多剤併用療法,リツキシマブ,放射線治療を論じた後,自家幹細胞移植を用いた大量化学療法,維持療法,髄注療法,血液脳関門破綻療法について述べる。さらに重要なCQとして,本疾患の多くの患者が含まれる高齢者への治療,時に合併する眼内リンパ腫について検討した。最後に確立した治療法がまだない再発時の治療について論じた。
 これらの治療法についての詳細と文献は,各CQの記載を参照のこと。
  5. 遅発性中枢神経障害
 PCNSL症例の半数は60歳以上であり,高次脳機能障害や遅発性治療関連神経毒性(白質脳症)の影響を極めて受けやすい対象である。特に,60歳以上のHD‒MTX療法と全脳照射を施行した症例群は最もハイリスク群とみなされている。AbreyらはHD‒MTX療法+MTX髄注+全脳照射40Gy +局所照射14.4Gy+大量シタラビン(high dose cytara-bine:HD‒AraC)療法を行ったPCNSL症例のうち,60歳以上の症例で有意に遅発性神経毒性の発生リスクが高かった(p<0.0001)と報告している11)12)。したがって,遅発性中枢神経障害の有無や程度の評価は極めて重要で,克服しなくてはならない課題である。
 一方で,高い総放射線線量,MTX髄注治療の併用,HD‒MTX療法そのものや,照射後の化学療法の追加などのいずれも神経障害を惹起しうる治療法であり,遅発性神経毒性の原因検索とその回避については慎重な考察を要する。ハイリスクの高齢者の定義としては,60歳以上あるいは70歳以上など,各報告で統一されていない。また,高齢者に遅発性神経毒性の発生リスクが高いとしても,高齢者の治療成績が十分ではなく,頭蓋内病変の制御が悪ければ,必然的に認知機能や生活の質(quality of life:QoL)も低下するという面も,考慮する必要がある。
 神経毒性の症状は,主として急速に進行する皮質下認知障害で,精神運動障害,遂行・記銘力障害,行動異常,歩行失調,失禁などが含まれる12)13)。このような症状や障害を科学的に評価していくためには,系統的認知機能評価法の導入が必須であり,Correaらは認知機能の4つの主領域(注意,遂行機能,記銘力,精神運動速度)を含む5つの標準化された神経精神テストとQoL質問票を提唱している13)14)。今後の臨床試験のみならず,日常診療においても可能な範囲でこのような評価法を我が国でも進めて行くことが望ましい。
1-5 フローチャート
1-6 CQと推奨の一覧
Clinical Question 推奨 推奨グレード
CQ1
(手術)
PCNSLの診療における手術の位置づけは? 推奨 PCNSLに対しては,原則として手術による組織診断が必要である。 A
CQ2-a
(ステロイド療法)
診断確定前にステロイド療法は施行するべきか? 推奨 生検術前のステロイド使用は,ステロイドによる標的病変の縮小が高頻度に生じるため,手術時に生検的中率が低下するリスクがあり,可能な限り投与を控える。 C2
CQ2-b
(ステロイド療法)
診断確定後のステロイド療法の位置づけは? 推奨1 PCNSLに対するステロイド療法は,一過性の腫瘍縮小効果が認められることが多く,また,症状緩和目的に使用されることも多い。 C1
推奨2 ステロイドは治癒的効果に乏しいため,治癒目的の単独使用は推奨されない。 C2
CQ3
(Staging・全身検査,眼科検査)
脳リンパ腫に対して眼科的検査,全身精査は必要か? 推奨 PCNSLでは,眼球内リンパ腫や全身性悪性リンパ腫を合併することがあり,その有無を精査することが必要である。 B
CQ4
(寛解導入療法①初発時治療)
PCNSLに対してどのような初発時治療が推奨されるか? 推奨 PCNSLに対する治療では,HD-MTX療法を基盤とする薬物療法を先行し,引き続き全脳照射による放射線治療を行うことが望ましい。
・註1:高齢者に対してはCQ12を参照。
・註2:MTXと併用する薬剤に関しては次項CQ5を参照。
・註3:化学療法が不適切な症例では,病勢制御のため全脳照射単独療法を行う場合がある(CQ7-b③参照)。
A
CQ5
(寛解導入療法②多剤併用療法)
PCNSLに対する寛解導入療法として多剤併用化学療法が推奨されるか? 推奨1 PCNSLに対する初発時治療として,HD-MTXを含む多剤併用薬剤療法が推奨される。 B
推奨2 リツキシマブに関しては次項CQ6を参照。  
CQ6
(寛解導入療法③リツキシマブ)
PCNSLに対してリツキシマブの併用は推奨されるか? 推奨 CD20に対するキメラモノクローナル抗体リツキシマブは,MTX基盤化学療法に併用してもよい。 C1
CQ7-a
(放射線治療の意義と実際)
PCNSLに対する放射線治療ではどのような照射野が推奨されるか? 推奨 照射野は眼球進展がない症例では眼球後半部を含んだ全脳が推奨される。眼球進展がある症例では全眼球を含んだ全脳が推奨される。 A
CQ7-b
(放射線治療の意義と実際)
PCNSLに対する放射線治療ではどのような照射線量が推奨されるか? 推奨 照射線量は23.4~50 Gy(1回線量1.5~2.0 Gy)が推奨される。ただし眼球への線量は30~36 Gy程度に留める。 B
①寛解導入療法CR後の「地固め」照射 ①大量メトトレキサート(HD-MTX)基盤をとする寛解導入療法CR後の「地固め」照射では全脳に対して23.4~36 Gy(1回線量1.5-2.0Gy)が推奨される。 B
②寛解導入療法PR以下の際や,再発時の救済照射 ②HD-MTX基盤をとする寛解導入療法PR以下の場合には,全脳に対して30~45 Gy(1回線量1.5~2.0 Gy),腫瘍床に対しては総線量36~45Gy程度の照射が推奨される。 B
③薬物療法不適応の際の代替治療としての照射 ③HD-MTX基盤をとする寛解導入療法が適応にならない場合には,全脳に対して30~50 Gy(1回線量1.5~2.0Gy),腫瘍床に対する総線量は40~50Gyが推奨される。 B
④緩和照射の場合 ④緩和照射の場合は,全脳に対して30~36 Gy程度(1回線量2.5~3.0 Gy)が推奨される。 C1
CQ8
(大量化学療法)
CNSLに対して自家幹細胞移植を伴う大量化学療法は推奨されるか? 推奨1 初発PCNSLに対してHD-MTXを基盤とする寛解導入化学療法の後の地固め療法として,自家幹細胞移植併用大量化学療法は一般臨床として推奨される段階ではない。 C2
推奨2 再発PCNSLに対する治療法として,自家幹細胞移植併用大量化学療法は一般臨床として推奨される段階ではない。 C2
CQ9
(維持療法)
寛解導入後の維持療法は推奨されるか? 推奨 寛解導入療法および地固め療法後の維持療法は,一般臨床として推奨される段階ではない。 C2
CQ10
(髄注療法)
PCNSLに対する抗がん薬の髄注療法は推奨されるか? 推奨1 診断時の髄液細胞診が陰性の症例では髄注は推奨されない。 C2
推奨2 診断時の髄液細胞診が陽性の症例では髄注を行ってもよい。 C1
CQ11
(BBBD)
PCNSLに対して血液脳関門破綻療法(BBBD)を併用した化学療法は推奨されるか? 推奨 PCNSLに対する血液脳関門破綻療法(BBBD)併用化学療法は,血管内治療などの特殊な治療技術を要し,現状では試験的治療の段階にある。 C2
CQ12
(高齢者治療)
高齢者PCNSLに対してどのような治療法が推奨されるか? 推奨 遅発性中枢神経障害の発生を軽減するため,高齢者における初発時の治療として,大量メトトレキサート(HD-MTX)療法を基盤とした導入化学療法後完全奏効(CR)となった症例については,全脳照射を減量ないし待機とした治療法を考慮する。 C1

CQ13
(IOL治療法)

眼球内リンパ腫にはどのような治療法があるか? 推奨1 眼球内リンパ腫の眼球内病変は,放射線照射が推奨される。 C1
推奨2 眼球内リンパ腫の眼球内病変には,メトトレキサート(methotrexate:MTX)の硝子体注射を試みてもよい(保険適用外)。 C1
CQ14
(再発治療)
再発PCNSLに対し,どのような治療法が推奨されるか? 推奨1 大量メトトレキサート(HD-MTX)療法を含む初期治療により長期間の奏効が得られた患者では,HD-MTX療法を含む治療を試みてもよい。 C1
推奨2 初回治療で全脳照射を行っていない場合,もしくは追加照射が可能な場合には再発時に全脳照射を行ってもよい。 C1
1-7 ガイドライン統括委員会
 本ガイドラインの作成にあたり、特定非営利活動法人 日本脳腫瘍学会脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会はガイドライン統括委員会の役割を果たしている。日本脳腫瘍学会脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会の構成委員と所属は別に記す。
1-8 中枢神経系原発悪性リンパ腫ガイドライン改訂working group
氏名 所属機関/専門分野 作成上の役割
青山 英史 新潟大学大学院医歯学総合研究科 腫瘍放射線医学分野/放射線治療科 委員
石澤 賢一 山形大学医学部 血液・細胞治療内科学講座/血液内科 協力委員
伊豆津宏二 国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科/血液内科 協力委員
鈴木 茂伸 国立がん研究センター中央病院 眼腫瘍科/眼科 協力委員
中洲 庸子 滋賀医科大学脳神経外科・英語科/脳神経外科 委員
永根 基雄 杏林大学医学部 脳神経外科/脳神経外科 委員長
三島 一彦 埼玉医科大学国際医療センター脳脊髄腫瘍科/脳神経外科 委員
1-9 利益相反
 特定非営利活動法人 日本脳腫瘍学会脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会の構成委員、ガイドライン改訂working group委員の利益相反は別に開示する。
1-10 次回改訂予定
 2021年3月に改訂を行う予定である。
1-11 文献検索
   今回のupdateにおいては,初版の作成時に検索をした期限以降の,2011年4月から2017年3月の時点までのPubMed/MEDLINEにて,central nervous system neoplasms[mh] AND (2011/4/01[PDAT]:2017/03/31[PDAT]) AND (lymphoma[mh] OR lymphoma[tiab],を検索式として検索し,1,299件の論文を抽出した。そこから,各clinical questionに対して,適切な検索式を掛け合わせ,該当する論文を選出した。そのうえでエビデンスのあるまたは臨床上重要な情報を提供すると考えられた論文を抽出し,エビデンスレベル分類と推奨グレード分類から評価した。
 なお,重要な文献を構造化抄録に抽出した(構造化抄録のある文献は,本文文献リストにて,著者名の前に●を添付)。
◆文  献
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3) DeAngelis LM, Seiferheld W, Schold SC, et al. Combination chemotherapy and radiotherapy for primary central nervous system lymphoma: Radiation Therapy Oncology Group Study 93-10. J Clin Oncol. 2002;20(24):4643-4648
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